アメリカ研究図書出版助成要項(詳細)
[助成の対象]
助成の対象となる図書は、日本の学界で活動する研究者によるアメリカ研究の分野における研究成果で、学術的価値が高く、市販性が限られたものとする。学位論文に手を加えたものなど比較的若い研究者の最初の研究書を優先対象とする。博士論文を出版する場合には、ある程度幅広い読者にも理解されるように改稿することが望ましい。ただし、すでにかなりの研究歴がある著者のものであっても、アメリカ研究における重要テーマを扱いアメリカ研究にとって刺激的な効果をもつような著作については、助成することがある。
日本語による出版図書の場合は、共同研究の成果を対象から排除しないが、多数の執筆者による論文集は助成の対象としない。英語による出版図書の場合は、英文単著の出版を対象とする。不採択になった図書原稿を改訂して次年度以降に再申請することは1回に限り認められる。
[助成の対象となる経費、助成額]
助成の対象となる経費は、出版にかかわる直接経費(組版代、印刷代、製本代)の全部または一部であり、付帯経費は対象としない。
日本語による出版図書の場合、助成額は1件につき1,500,000円を上限とする。ただし、実績のある研究者の著作への助成は1,000,000円を上限とする。 但し、出版費の出版社負担割合が原則として助成額と同額以上(出版費全体の半分以上)となることを要する。
英語による出版図書の場合、助成額は総額1,500,000円を限度とする。
[助成の申請]
助成の申請の受付期間は毎年6月1日から8月末日までとする。
日本語による出版図書の場合、助成の申請は、出版社が行なう。申請資格がある出版社は学術出版に実績をもつ出版社とする。出版社が助成を申請するに当たっては、「日本語によるアメリカ研究図書出版助成申請書」に完成原稿写し3部(A4の用紙に両面印刷したもの)を添えて提出することを要する。
英語による出版図書の場合、助成の申請は研究成果を英文で発表しようとする著者が行う。申請にあたっては、「英語によるアメリカ研究図書出版助成申請書」に英文完成稿3部、英文要旨(出版の意義を含め1,500語程度)、履歴書・業績表、出版社との出版契約書を添えて申請する。
添付する出版契約書は、
1)出版決定にあたって専門家による査読の有無
2)出版条件(出版部数・予定価格・出版時期)
3)当会からの助成を受けた場合の出版条件の変更(出版部数・価格への影響など)
を内容として含むものとする。
[助成の決定]
日本語による出版図書の場合、助成対象および助成額の決定は、アメリカ研究振興会が委嘱する出版助成図書審査委員会の審査を経て、常務理事会で行なう。助成の決定は毎年10月末から11月初めに行い、決定後申請者に通知する。その際、審査委員の意見に基づき、原稿が改善・補強されることを期待し、それを前提として助成する場合もある。
英語による出版図書の場合、常務理事会で提出されたすべての書類を審査の上、12月までに助成の可否を決定する。
助成の重複を避けるため、他の機関の助成が決定した場合は速やかに報告する。他の機関との重複での助成金の受給はできない。
[助成の条件]
日本語による出版図書の場合、助成を申請した出版社は、助成が決定した著作を、原則として翌年5月末までに出版しなければならない。助成金は著作が刊行され、8部がアメリカ研究振興会に提出されたときに、出版社に対して支払われる。
英語による出版図書の場合、出版助成決定から2年以内に出版を完了しなければならない。ただし、やむを得ない事情で2年以内の出版が難しい場合は、個別に協議する場合もありうる。助成金は、著作が刊行され、8部がアメリカ研究振興会に提出されたときに、出版社に対して支払われる。
刊行された図書には、公益財団法人アメリカ研究振興会の出版助成金を受けたことを明記しなければならない。
[計画の変更]
助成が決定した著作の著者あるいは出版社が出版に際して著作の内容や長さを大幅に変更しようとする場合、著作の題名に変更を加えようとする場合、また刊行が所定の期限内にできない場合には、あらかじめその旨をアメリカ研究振興会に報告し、承認を得なければならない。
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